安倍首相、状況に応じ期限前解除の可能性に言及
※政府が延長を正式決定したのを受け、内容を差し替えました
政府は5月4日午後、新型コロナウイルス感染症に関する対策本部の会合を開き、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて全国に発令している緊急事態宣言の期限を、現在の同6日から今月末まで延長することを正式に決定した。
新たな感染者は減少傾向にあるものの、政府が期待しているほどには抑制できていないため、引き続き強い対応が必要と判断した。安倍晋三首相は5月4日夕方に首相官邸で記者会見し、「当初予定した1カ月で宣言を終えられなかったことを国民におわびしたい。延長は断腸の思いだ」と陳謝。今月14日をめどに専門家から地域ごとの感染者数の動向などを聴取した上で、状況に応じて期限より前に宣言を解除する可能性があることに言及した。
政府は延長に際し、宣言の対象を引き続き全国とした上で、感染者が多く重点的な対策が必要と設定している13の「特定警戒都道府県」は引き続き8割の接触削減を目指すよう要請。それ以外の地域に関しては、休業要請の緩和などを検討するよう求めていく構えだ。不要不急の観光旅行や都道府県をまたいだ広域の移動は引き続き控えるよう国民に協力を訴えていく。
政府による経済対策が追い付かない中で営業自粛を続けているため、経営が厳しくなる企業や事業主が続出しており、宣言を延長するに当たっては感染防止と経済持続支援の両立が喫緊の課題となっている。安倍首相は会見で、延長による影響を小さくするため、家賃支援や雇用調整助成金拡充といった経済対策を追加で速やかに実施することに強い意欲を示した。
新型コロナウイルス感染症の対策本部で発言する安倍晋三首相(首相官邸ホームページより引用)
(藤原秀行